武蔵野市
濱家住宅西洋館・旧赤星鉄馬邸の利活用

「大学生を対象とした市町村事業のPR」第7回目は、武蔵野市で行われました。4名の大学生が参加し、「武蔵野ふるさと歴史館」と、国の登録有形文化財である「濱家住宅西洋館」、「旧赤星鉄馬邸」を視察した後、市職員と大学生で文化財の利活用について意見交換を行いました。
スケジュール
- 13:00
- 武蔵野ふるさと歴史館 集合
- 13:05
- 武蔵野ふるさと歴史館視察
マイクロバスで移動 - 13:45
- 濱家住宅西洋館視察
徒歩で移動 - 14:30
- 旧赤星鉄馬邸視察
- 15:20
- 大学生と市職員の意見交換会
- 16:30
- 旧赤星鉄馬邸解散
「濱家住宅西洋館」と
「旧赤星鉄馬邸」について
「濱家住宅西洋館」は、アメリカより輸入された組立式規格住宅で、成蹊学園の寄宿舎として大正後期に建てられました。現在の枠組み壁構法であるツーバイフォー工法の初期の建物です。
「旧赤星鉄馬邸」は、明治生まれの実業家である赤星鉄馬(1882~1951)の自邸です。
チェコ共和国生まれの建築家アントニン・レーモンド(1888~1976)(※)による設計で、1934年竣工の鉄筋コンクリート造地階付き2階建ての大規模住宅です。
敷地内には緑豊かな庭と共に、市が指定した32本の保存樹木があります。
「濱家住宅西洋館」と「旧赤星鉄馬邸」は、いずれも国の登録有形文化財となっています。
(※)アントニン・レーモンド:第二次世界大戦前後に日本に設計事務所を構え、数々の建築に携わりながら国内の建築家を育て、我が国の近代建築の発展に貢献した建築家。
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武蔵野市について知ろう!

「国登録有形文化財 濱家住宅西洋館のあゆみ」
企画展で職員から説明を受けている様子武蔵野市について知ろう!
今回は4名の大学生が「武蔵野ふるさと歴史館」に集合し視察が始まりました。所属学部は多岐にわたりますが、参加者全員が「行政に興味がある」という共通の動機を持って参加しました。
武蔵野ふるさと歴史館は、地域の歴史を学ぶ拠点として、古文書、民俗、考古資料、戦争関係資料などを収集、保存、研究、公開するほか、市民が利用可能なスペースを備えた市民交流拠点となっています。
第二展示室(企画展示室)では「国登録有形文化財 濱家住宅西洋館のあゆみ」が開催されていました。濱家住宅西洋館のおよそ100年の歴史についての展示パネルや写真、建設当時の図面や床材など貴重な資料を見ることができ、学生たちは市職員の説明を大変興味深く聞いていました。
その後、入口正面スペースの床にある市域を一望できる航空写真を見ながら、市職員から武蔵野市の全貌について説明を受けました。
床にある航空写真を見下ろすと
武蔵野市全体の様子や実際の位置が
体感できました。
建築当時の床材の現物なども見学 -
モダンな佇まいを見せる
「濱家住宅西洋館」
建設当時の面影を残し、大切に保存されています。 
大きな窓と明るく広々した部屋の様子 モダンな佇まいを見せる「濱家住宅西洋館」
武蔵野ふるさと歴史館の視察の後、マイクロバスで濱家住宅西洋館に向かいました。この建物は、成蹊学園の学生寮として建てられてから、個人の住宅、賃貸住宅の時期を経て、2024年3月に武蔵野市に寄付されました。現在の枠組み壁構法であるツーバイフォー工法の初期の建物で、貴重な文化財であることから2010年9月に国登録有形文化財(建造物)に登録されています。
成蹊学園の裏手の閑静な住宅街の中にあるエメラルドグリーンの外壁がひときわ目を引きます。約100年前にアメリカから輸入された歴史ある建物ですが、現在も建設当時の面影を残しつつモダンな佇まいを見せています。外観を見た大学生は、「100年前の建物なのに古さを感じさせないおしゃれな建物ですね」と感激していました。
特別公開時以外は一般公開されていませんが、今回は特別に建物内部に入ることができ、市職員の方から説明を受けながら見学しました。
大きな木枠の窓のある部屋はとても明るく、また天井も高いので、広々としています。1階、2階を見学し、さらに2階からはしごを登って屋根裏部屋を見学しました。屋根裏部屋を見るのは初めてという学生も多く、屋根裏の狭いスペースにも家族が住んでいたことがあるということを聞くと、驚きの声が上がりました。
大きな窓と明るく広々した部屋の様子 -
レーモンド設計の名邸
「旧赤星鉄馬邸」
正面玄関左にあるシンボリックならせん階段 レーモンド設計の名邸「旧赤星鉄馬邸」
濱家住宅西洋館の視察の後は、徒歩で旧赤星鉄馬邸へ移動しました。
旧赤星鉄馬邸は、日本モダニズム建築の先駆者アントニン・レーモンドの設計による戦前に竣工した鉄筋コンクリート造の専用住宅で唯一現存している建物です。
市職員の案内で、広い建物内の1階から2階と庭を見学しました。1階では夫人室、子供部屋、居間・食堂、厨房、蔵などを、2階では赤星鉄馬の書斎や主寝室などを見学し、最後は2階かららせん階段を降りるコースで建物内を辿りました。
建物と緑豊かな庭園は、今後の利活用に向けたニーズ等を把握するため、オープンガーデンのイベントなどで公開しています。視察日には庭園の一般公開がされており、ゆったり過ごす親子連れの姿も見られました。
※オープンガーデンや一般公開は2025年10月~12月の間で公開日を定めて実施していました。詳細は武蔵野市のホームページ・旧赤星鉄馬邸のインスタグラムを参照ください。
旧赤星鉄馬邸の利活用について(武蔵野市ホームページ)
旧赤星鉄馬邸インスタグラム
敷地の広さと部屋数の多さに加え、随所に見られるこだわりのデザインや設計を目の当たりにし、実業家として活躍した当時の赤星鉄馬の暮らしぶりに学生たちは圧倒されていました。

2階にある赤星鉄馬の書斎の窓からは、
緑豊かな庭が見渡せます。
木々に囲まれた芝生の広場は
各種イベントが行われ多くの市民が
集う場として利用されています。 -
武蔵野市の魅力を若者に届けよう

市が発信しているインスタを実際に見て、
学生に感想を聞きました。
庭が望める開放的なスペースで
活発な意見交換が行われました。武蔵野市の魅力を若者に届けよう
建物の視察を終えた後、1階の居間・食堂スペースに移動し、以下の4つのアジェンダで意見交換会が行われました。
①「武蔵野市」「吉祥寺」に対する印象
「武蔵野市は吉祥寺駅周辺のにぎやかでおしゃれな街というイメージが強かった。一方、今回訪問した場所は緑が多く、静かで落ち着いた雰囲気があり、武蔵野市の新しい一面を知ることができた」という意見が出ました。
②今回の視察先について、印象や感想等を教えてください。
・閑静な住宅地の中に重要文化財や歴史を学べる場所があることはとても魅力的
・当時の暮らしが分かる建物の中に実際に入れることはとても貴重な体験で興味深い
・例えば、旧赤星鉄馬邸の暖炉を復活させるなど、当時のものを再現してはどうか
③「あそこに行きたい」と思えるようにするには、どうすればよいと思いますか?
・地域の大学と連携し、大学生のボランティア活動の場にする
・カフェスペース等を設置し、学生の授業と授業の間の時間(空きコマ)に気軽に来てもらいくつろげるスペースを提供する
・通りがかった大学生等にアカウントを周知するため、入口の看板にインスタのQRコードを載せて、まずはフォローしてもらうことから始める
・施設の様子が分かる情報や、庭に咲く季節の花の情報などをSNSで発信する
・市民の成人式や七五三など、人生の節目のイベントに無料で場所を提供し活用する
④旧赤星鉄馬邸のインスタを見た感想
自治体のアカウントに積極的にアクセスする大学生は少ないため、自治体が発信する際は若者に注目してもらえるようにタグ付けの工夫が必要ということが分かりました。また、インスタの発信の際は、画像よりも短めの動画の投稿の方が、より多くの若者にリーチしやすいという意見が出ました。
ご庭が望める開放的なスペースで
活発な意見交換が行われました。
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視察を終えて
大学生は、市職員の説明を真剣に聞き、濱家住宅西洋館や旧赤星鉄馬邸の文化財としての価値について理解を深めていました。意見交換会でも大学生の視点から利活用についての意見やアイデアがたくさん出ました。
市職員は、直接大学生にPRする機会がなかったため、今回のような機会は大変有意義だったと感想を述べていました。また、「武蔵野市に住んでいる市民だけでなく、市外から市内に通勤・通学されている方も含めて、「市民」として捉えています。通過点ではなく何年か過ごした場所として武蔵野市と関わってもらえたら」と語っていました。











